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すずめの戸締り 雑感 はてなブックマーク - すずめの戸締り 雑感

2022/11/13
雑記 0
 TLはほぼ好評だが、自分はあんまり満足度が高くなかった。特に冒頭がのめり込めなくて、そのテンションを最後まで引きずってしまった。冒頭の掴みと行動原理を支持できるかどうかって、2時間こっきりの映画ではテンションにもろくそ関わってくるなと。以降ネタバレ。

 まず、全体を通して、話の展開にこっちの情動がなかなか追いつかなかった。特に旅立ちの部分がワクワクしなくて、応援したい気分にあんまりならなくて、逆にびっくりしてしまった。
 引用されていた『魔女の宅急便』のキキだって、一人前の魔女になるために見知らぬ土地に旅立つ不安やワクワクがあったし、『もののけ姫』のアシタカだって、祟り神の呪いを解くため、追われるように村を旅立つ姿に悲壮感があって彼の行く末を見守る心情があった。すずめちゃん、本当に成り行きで、何か引っかかるところはあるが、出会ったばっかりでほとんど人となりも知らない男のために、学校生活のことや育ての親のことをおっぽって、えいやでフェリーに乗っちゃうんだもの。あんまりカタギの子の発想ではない。
 設定を考えれば、要石をどうにかしないとというのは後追いで理解できるが、初見の自分は心が追い付かなかった。要石が地震をおこすミミズを封じる重要な存在で、それが猫になってて、猫が家にやってきて、しゃべりはじめてすずめが好きだと言ってきて、やにわに草太さんを椅子に変えてきて、追いかけっこが始まって、という展開の性急さまで含めて、ほんとうに置いてけぼりだった。もう少し脚本スタッフでわかりやすく交通整理、情報の取捨選択や配分をできなかったのかな。
 あとは、のっけから主人公たちに物心両面でひたすら奉仕してくれる他人の描写に違和感があった……逆に世界の狭さやヘタすりゃご都合主義感を覚えるというか。が、これは震災体験の薄い自分ののんきな感想かな。あの当時、行きずりの人の善意に救われた人がどれだけいたか想起させる意図があったのだろう。
 もちろん、終わってみれば評価されるべき点はいくらでもあって、前二作で間接的に震災を書いてきた新海が真っ向から3.11を書いた意義は痛いほどわかったし、地上派アニメでは到底見れない映像だけでも元は取れたけど。

 地震速報に関する案内があった上、常世に乗り上げた漁船のイメージがあったのに、絵日記を見るまで3.11の話だと気付かなかったのは流石に私がにぶかった。
 東京の後ろ戸(地脈)が忘れ去られたような道路の点検通路に繋がっているのは男のコだった。子供のとき、あれがどこに通じているのか無性になっていたので。
 飯の描写がいちいちうまそうだったが、ポテサラ焼うどんのカロリーモンスターは『ハンチョウ』だろうか。
 サダイジンが初登場時に何をしたかったのか、正直よくわからなかった。
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toppoi
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